↓エコノミストのオンライン教育に関する最新記事です。
Free Education~Learning new lessons~
現在、アメリカを中心に、大学が提供する教育のあり方に大きな変化が起こっています。それは、今まで、授業料を払って在籍する学生だけが享受することができた、有名教授の授業の映像をインターネット上でオープンにし、より多くの地域、国、年齢層の人々に提供するというもの。MOOCs=”Massive Open Online Course”と呼ばれます。最近は、大学の授業の内容が書籍になったものも、書店で見かけますね。
MIT, Stanford, Harvard といったアメリカの有名大学が先行して、MOOCsプラットフォームを立ち上げ、積極的に有名教授の授業の多くを無料で提供し、新しい流れを作り出しています。
Stanford Universityの教授が構築した、Couseraというプラットフォームは、4つの大学のオンラインコースを提供し、現在では200万人以上のユーザーがいます。また、HarvardとMITが共に、edXというプロットフォームを立ち上げ、アメリカのトップ大学の授業の提供を始めることを宣言しました。
学生はハイクオリティの授業をどこからでも、自分のペースでオンラインで受けれることになりますが、それが、今後大学の役割をどのように変えていくことになるのでしょうか?日本にもこのMOOCsの波が訪れるのでしょうか。
“Mr Thrun predicts that in 50 years there will be only ten universities left in the world.”(上記リンクのエコノミスト記事より)
Udacityを立ち上げたThrun氏は、50年後に世界には10の大学しか残らないだろう、と予測をしています。オンラインプラットフォームでの授業の提供により、今までのやり方の大学機関は必要なくなる可能性を示唆しているのかと思います。その結果、みんながコンピューターを前に引きこもるようになる、という訳ではなく、今までは多くの学生が同時に授業を受けていた時間が、より、グループワークや実習、研究の発表、先生からの一人一人へのカウンセリングに使われるようになるということが、目指すところかと思います。”Flipped classroom”という新しい考えですね。学校で授業を受けて、お家で宿題ではなく、お家で自分のペースで先に授業を受け、学校で実習や議論をします。
私も現在、スタンフォードの秋学期オンラインコースを二つ終了したところです。”Designing New Learning Environment by Professor Paul Kim” と”Crash Course on Creativity by Professor Tina Seeling”です。
富山にいながら、スタンフォードの授業を受けれるなんて素敵!と、先ずは興味範囲で受けてみましたが、独自のプラットフォームだけではなく、みんなが使い慣れたGoogle+やデータ共有のDropBox、YouTubeなどを様々なツールを利用して、何万という世界中にいるユーザーにコースを提供します。実際の大学のように、グループワークや相互評価、宿題や最終のプロジェクト提出が求められます。
実際に参加をしてみて分かったことは、学ぶモチベーションを保ち、継続的にコミットメントをしていくことの難しさです。今まで簡単に手にすることができなかった貴重なコンテンツでも、最初の登録者数に対して、実際に最後までコースをやり遂げる人は、10%にもいかないことがほとんどかと思います。多額の授業料も払わず、近くにチームメンバーや教授がいない状況では、他の目の前にあることを優先してしまいます。外からの強制力なしで、なかなか自分を律するのは、難しいことなんですね!運動をしなきゃ、と思っても、ジムなどで特定のコースにお金を払って登録しないと、なかなか始められないのと同じ法則ですね。私が受講した「新しい教育環境」についてのクラスでも、Paul教授は、自分を律する能力が高い人が、これらオンラインコース(特に無料のもの)の恩恵を受けることができる、と言っていました。
2013年春学期にオンライン授業を取る時は、ちゃんと自分を律して、宿題なども積極的に取り組むようにしなければ!