第3回富山県高校生英語ディベート大会
(主催:富山県高等学校英語教育研究会)に審査員(ジャッジ)として参加しました!
テーマは、12月に開催予定の全国大会と同じく、
“The Japanese government should remove the tariff on rice imports.”
「日本政府は輸入米の関税を撤廃すべきである。是か、非か。」
富山県の参加高校 (片山学園高校、富山国際大付属高校、砺波高校、富山高校、富山中部高校、高岡高校、桜井高校)で、白熱したディベートが行われました!
ディベート大会では、与えられたテーマに対して、1チーム3〜4人の2チームが肯定側と否定側に分かれ、以下の流れでスピーチと質疑を行います。
★開始:立論(肯定:4分) → 質疑 (否定:3分) → 立論 (否定:4分)→ 質疑(肯定:3分)
→アタック(否定:2分)→ 質疑(肯定:2分) → アタック(肯定:2分) → 質疑 (否定:2分)
→ディフェンス(肯定/否定:各2分) →総括(肯定/否定:各3分)★終了
審査員が論題が肯定されたか否定されたかを合理的に判断し、試合の勝敗を判断します。双方が提示する論点の「Probability」と「Impact」が判断のポイントとなるため、各チームは自分たちの論点の重要性を論理的に証明することが大切です。
ディベートの流れを見て分かるように、2〜4分の限られた時間の中で、自分の論点を整理して相手に伝え、また、相手の論点を瞬時に把握し、そのvalueを否定する論理を組み立てるという、かなり高度な戦いです!あらゆる議論のパターンに備えるための事前準備と練習が行われていたことが、学生の持つ分厚い資料と素早い議論の判断から見てとれました。素晴らしいです!
自分のスピーチ時間が割り当てられ、早いペースで進むディベートをマスターしている学生は、日本人が苦手とされるTOEFL(またはTOEIC)試験のスピーキング部分が鍛えられいるだろうなあ、と思いました。TOEFLスピーキング試験では、「意見&理由」を整理して端的に述べる問題が大半で、その時間配分も
準備:15秒 → 解答:45秒、準備:30秒 → 解答:60秒、 準備:20秒 → 解答: 60秒
と、とてもタイトです。 「英語を聞いて(読んで)、頭を瞬時に整理して、端的に発言する。」という日本語でも至難のスキルは、ディベートの流れにも似ていて、スピーキングのとても良い訓練になっていると思いました。
ジャッジのアメリカ人の先生2名に、アメリカではこのようなディベートの授業が普段から行われているのか聞いてみました。1人は高校にディベートのクラスがあり、また、大統領選の討論会の際は、授業でビデオをみて、各候補者の論点の強い点、弱い点の分析も行ったそうです。もう1人はディベートの授業はなかったそうですが、テーマを決めてプレゼンテーションを行うクラスがあったとのことでした。やはり、高校生の段階から、人前で”I think xxx because xxx.”と論理的に発言する力が鍛えられているようです。そういった視点からも、ディベートに参加している学生は、将来の国際舞台でのコミュニケーション能力も養うことができていますね!
そんなわけで、そんな高度なディベートを英語でこなす学生に、ずっと感心ばかりしてしまっていたディベート大会でした!今年度、戦いを勝ち抜き優勝を果たした高岡高校チームは12月に長野で開催される第8回全国高校英語ディベート大会に進出となります。おめでとうございます!相手を納得させる力が輝いていました。今回大会に参加をした富山の学校みんなで、全国大会での活躍を応援しています!
(閉会式にて、参加した学生が大会の感想を交わしました。)